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飲食店のHACCP Q&A

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飲食店のHACCP Q&A …今さら聞けないHACCPの疑問

問題1:本当に小規模飲食店にHACCPは必要でしょうか?

答え:
1.良い従業員の確保のためにHACCPは必要です!
2.SNSによる風評被害を防ぐために必要です!

飲食店などの小規模食品事業者も法律でHACCPの義務化が決まりましたので必ず取り組む必要があります。
しかしこれは表向きの事情で、小規模飲食店においてHACCPは本当に必要なのでしょうか?本当のところはどうでしょう?

テレビやニュースで毎日のように飲食店の特集が組まれている現在、世間がイメージする飲食店の華やかな世界の反面、大きな危機(リスク)が潜んでいます。大きな問題が従業員確保とその管理です。
特に人手不足による従業員確保の問題は、重労働である飲食店の現場では大きくのしかかってきます。
若い世代は、自分が働くお店を立地や味、値段だけでは決めません。
経営者の考え方は正しいか?清潔な店か?従業員が衛生に気を使っているか?を肌感覚でつかみます。
そして、自分の感覚と違うと感じたら、良いことも悪いこともSNSなどのツールを使って世間に広く拡散させてしまいます。
従業員によるバイトテロなども、経営者の衛生管理ができていない事例だと考えられます。

いくら衛生管理をしっかりと行っていても事故は起きるときには起きてしまいます。
その時に、それまで正しくHACCPに取り組んでいれば、従業員やお客様からは悪い情報は流れることは防げます。
最悪なケースは、事故が起こった時に、連鎖的に常日頃の衛生管理の悪い部分がクローズアップされて、お店のミスだけにとどまらずに会社全体が悪いイメージが広がってしまうことです。
常日頃から従業員に対して正しい衛生管理を行うように指導していれば…、いざというときのためにHACCP方式の衛生管理を取り入れて飲食店経営を行ってください。お客様や従業員は絶えず経営者の姿勢を見ています。

問題2:飲食店のHACCPが法律で義務化されたのはなぜですか?

答え:
飲食店のHACCP義務化の理由は、飲食店をさまざまなクレームから守るためです。

HACCPはもともとアメリカのNASAにおける宇宙食の製造に関する安全規格です。
HACCPが考えられる前は、どんなやり方で食品を作っても99.9…%の安全度が限界だったのですが、HACCP方式の衛生管理で食品を作ると、理論上は100%安全な食品が作れます。
今回、飲食店に法律で義務化されたHACCPは、NASAのHACCPの考え方を取り入れていますが、そこまで難しい取り組みではありません。
では、なぜ?このタイミングで飲食店に対してHACCPの義務化を決めたかというと、海外から日本食が注目され、多くの外国人観光客が増えて、飲食店に来店されるお客様の層が変わったことが挙げられます。
あまり知られていませんが、日本は世界的に見て食の衛生管理は遅れています。
もちろん、清潔な環境は世界的に見てもトップレベルですが、お店単位での管理はまったくできていないと言ってもいいと言われています。
これまでは従業員同士、またお客も含めて全員同じ日本国民で、価値観が似通っています。
その結果、飲食店に訪れていても、清潔に調理してくれているだろう、安全な食材を使ってくれているだろう、という性善説に基づいた考えかたが根底にあります。
この価値観は今後も大事にしていきたいと思いますが、これから、ますますグローバル化が進むと、さまざまな国の人々がやってきます。
違った価値観の海外のお客は、自分の国の価値観で食事をするわけですから、何かの拍子で大きなクレームになることも予想されます。
今回の飲食店のHACCPが義務化された理由は、最低限HACCP方式(理論上100%安全の衛生管理方式)の衛生管理を行っていれば、クレームが起こった場合でもお店の責任を回避することができ、最小限の被害で済むという想定のもとに、導入を決めています。
決して小規模飲食店の経営を厳しく取り締まるためのものではありません。
小規模飲食店を守るために法律で義務化を定められています。

問題3:お店でHACCPを取りいれた時、経営者と従業員の役割はそれぞれどのようになりますか?

答え:HACCPの役割はそれぞれありますが、もっとも大事なことは、外部機関に定期的にチェック・教育をしてもらうことです。

経営者と従業員の役割をそれぞれ分けて書いてみます。

①経営者の役割:
・従業員への意識づけ
現場で働く従業員は、HACCP?と言っても難しいイメージがあると思います。
いくら法律で義務化されたから必要と言ってもなかなかとっつきにくいでしょう。
経営者のみなさまは、最初は理解されにくいでしょうが、粘り強く現場の従業員に毎日の決まり事を続けていただく説明が必要です。
・文書の保管
飲食店のHACCPは衛生作業などの記録文書を保存することが定められています。

②従業員の役割:
・毎日の衛生作業と記録
お店の開店から閉店後にまで、衛生作業(温度・健康チェック・ゴミ出し・掃除・空間除菌・害虫駆除など)を行っていただきます。
ひとつひとつの衛生の作業は、すぐに実践できるものばかりですが、継続して行うには思っているより労力がかかります。
・記録表に記入する
記録表に記入していただき、FAXまたはメールで当社に送付していただきます。
・定期的(基本的に年3回)に、外部のチェックや教育を受ける。
毎日、当たり前のように現場で作業を行っていると、自社の状況の判断基準が曖昧になりがちです。
外部のチェックや教育は、現場の危険度をあらためて認識できます。

経営者は、衛生にかかわる業務ができているかどうかを、外部に委託してチェックしてもらう必要があります。
そして、必要であれば改善の指示を出すことで、お店の衛生環境は改善されます。
また、従業員の衛生に関する知識の向上のために定期的に衛生教育を受ける必要があります。

問題4:食品事故の原因の9割は人であると言われますがどうしてですか?

答え:一番大きな生物(ヒト)がもっともリスクの高い原因になります。お店で働く人の意識によって食品事故の発生率は大きく変わります。

飲食店のHACCPを取り組むうえで、経営者の仕事は、まず衛生管理の基本となる考え方を理解する必要があります。
衛生管理の基本となる考え方は、「大きな生物から小さな生物へ、順番通り制御(コントロール)する」です。
飲食店において、リスクとなる生物の大きさの順番は、人→猫・カラス→ネズミ→ゴキブリ→ハエ→菌→ウィルスとなります。
この順番通りに順序良く制御(コントロール)することが、大事な考え方です。この順番を間違えては短期的にリスクが取り除けたとしても、すぐにもとの状態に戻ります。

例をあげますと、食中毒菌を消毒してやっつけても、ハエの駆除ができていなかったら、ハエが飛び回って、すぐに食中毒菌をばらまいてしまう。といったことです。
ここまで書くと、一番大きな生物(人)の制御(コントロール)ができていなかったら、すべてのリスクが取り除かれないことになります。例をあげて説明します。

例)人が、扉を開けたまま帰る  →ネズミが侵入する
人が、ダンボールを持ち込む →ゴキブリの卵が持ち込まれる
人が、排水溝の掃除を忘れる →ハエの卵が産まれる
人が、手を洗わない     →食中毒菌が繁殖する
人が、体調が悪いのに出勤する→ウィルスが蔓延する

このように、衛生管理は、人の制御(コントロール)をきっちりと行う事がすべてといっていいほどです。
従業員やアルバイトの方々が少しだけ意識を持ってくれることでHACCPは成り立ちます。

問題5:飲食店のHACCPでは、何に気をつけていればいいのですか?

答え:飲食店のHACCPでは、菌とウィルスによる食中毒被害と、お客の視点で見て不快な生物や汚れを制御(コントロール)する必要があります。

衛生上、実際にお客に悪さ(被害)をするのは、菌とウィルスによる食中毒です。
もちろん、特殊な環境でしたらハチや蚊に刺されたといったことは考えられますが、飲食店のHACCPにおいては、基本的に菌とウィルスによる食中毒被害を念頭に置いています。
しかし、お客の視界に入って不快(気持ち悪い)と感じることがあれば、間違いなくお店にとってマイナスとなりますので気をつけなければいけません。
ゴキブリやハエはもちろんのこと、ほこりや油汚れなども気をつけなければいけないでしょう。
衛生管理の目的は菌・ウィルスの制御が一番とされていますが、飲食店のHACCPにおいては、見た目に不快な生物(ネズミ・ゴキブリ・ハエなど)や汚れの制御も重要となってきます。
特に働いている現場の従業員やアルバイトは毎日の環境に慣れてしまっているので、お客が不快と感じることもあまり気にならないこともよくあります。経営者は、ときどき、お客の視点で見て清潔と感じる環境づくりに取り組んでください。

問題6:食品工場と飲食店のHACCPはどのように違うのでしょうか?

答え:食品工場ではHACCPの規格の認証を目指しますが、飲食店ではHACCPの考え方を取り入れて毎日の作業を行うことを基本にしています。

食品工場のHACCPは飲食店のHACCPとは異なります。
食品工場のHACCPは、簡単に言うと「安全>味」の考え方で構成されています。

食品工場では、毎日のように数値で安全度を把握するために、食材の菌検査を行い、また髪の毛や手指からの汚染を防ぐために、一見、大げさに見える白衣を着て調理します。
そして、調理された商品は、消費期限がつけられますので、当然、味より安全が優先されます。調理する施設や設備もデザインより衛生第一に作られており、メンテナンスや掃除も毎日欠かしません。

食品工場のHACCPは、3つの段階で下から順番に行う必要があります。
第一の段階は、施設設備の整備を中心とした「基礎衛生管理」が挙げられます。施設設備は、飲食店では見られないエアシャワーなどがあります。次に基礎衛生管理を土台として国際的な規格によって定められた一般衛生管理(10項目)があり、その上に書類を各段階で揃えて、HACCPの取得の段階があります。
このステップを段階的に登っていく訳ですが、一足飛びにHACCPを取得しようとしても、無理が生じてしまい、毎日の書類管理がおろそかになり、逆に営業に支障がでかねない状況になります。
そこで、食品工場のHACCPでは、コンサルタントに依頼して全社的に取り組む必要があり、飲食店のHACCPとは、費やす時間もコストも大きく異なります。

飲食店のHACCPは、食品工場のHACCPとは違い、施設・設備の整備が必要ありません。
また、HACCPという規格を取得することではなく、HACCPの方式にのっとって衛生管理を行う義務があるだけです。
飲食店のHACCPは、毎日の少しの決まり事を忘れずに行えばそれほど難しくありません。

このように、同じ食品業界と言っても、飲食店のHACCPとは、まったく違うアプローチですので、食品工場のHACCPの手法は飲食店に取り入れることは非現実的でしょう。

 

問題7:これまでの掃除などの作業と衛生管理は何が違うのでしょうか?

答え:掃除は現場で行う衛生作業で、それを経営者がチェックする業務が衛生管理です。

飲食店では、これまで本当の意味での衛生管理は行われていませんでした。
もちろん、食中毒を出さないように、また、お客に不快な思いをさせないように、色々と掃除や消毒はやってこられたと思いますが、掃除や消毒は衛生作業であって、衛生管理ではありません。
衛生管理とは、読んで字のごとく「衛生」を「管理」することであって、掃除などの衛生作業とは別枠の業務です。本来、食に関わる全ての産業が衛生管理を行う必要がありますが、飲食店においては、調理以外に接客や会計など仕事の幅が広く、その他掃除などの作業は、従業員やアルバイトにある程度まかせており、いつしか衛生作業をやっていることが衛生管理ができていると勘違いされてきました。
今回、法律で義務化された飲食店のHACCPは、衛生管理の初歩の位置づけで、本格的な衛生管理ではありません。
しかし飲食店においては、基本的な毎日の衛生作業と記録、それに加えて定期的なチェックだけで成立する最適な仕組みです。

 

問題8:飲食店のHACCPは「見える化」が大事と言われますがどういう意味ですか?

答え:「継続する習慣」が身についている組織は必ず「見える化」ができています。

「見える化」とは、従業員の作業内容や検査の頻度・項目、報告書の有無などが、明確に決められており、またその作業などの結果が記録に残っていることです。

「見える化」は、飲食業に関わらず、すべての産業に必要な項目です。
しかし、飲食業の場合、仕入れ→調理→接客と同じ場所で複数の業務を行うため、またアルバイトが多く人員の入れ替わりが激しいことから、特に「見える化」は必要とされています。
仕入れ→調理→接客などの業務をおろそかにせずに、HACCPを継続させるポイントは、事前に作業内容などをできるだけ細かく定めることです。
事前に作業内容などを決めておかないと、その時の従業員の感覚で判断してしまい、良かれと思って行った(発注した)ことが逆に経費がかさんでしまい、かえってお店の不利益になります。
事前に作業内容やコストを決めることは難しいので、そこは当社のような外部機関にまかせることで、経営者のみなさまは安心してHACCPに取り組むことができ、また最大の目的である継続する習慣が組織に身につくことになります。

 

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